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用語集 Glossary

分布定数回路(分布定数モデル)

分布定数回路は、電気回路や伝送線路において、抵抗、インダクタンス、キャパシタンス、コンダクタンスが空間的に連続して分布していると仮定する回路です。扱う信号の波長と比べて配線長が無視できない場合に使用されます。主に、配線やケーブルのような長さを持つ構造物の高周波特性を正確に表現するために用いられます。一方、集中定数回路は、抵抗、インダクタンス、キャパシタンスなどの回路要素が個別の部品として離散的に存在し、配線の長さや信号の伝播遅延を考慮しないという前提で成り立つ回路です。この回路は、配線長が信号の波長に比べて十分に短く、電気信号が瞬時に回路全体へ伝わるとみなせる場合に有効です。一般的な回路図は、この集中定数回路を前提として描かれています。両者の違いは信号伝播の扱いにあり、分布定数回路では信号を「波」として扱うのに対し、集中定数回路では信号が瞬時に伝わるものと仮定しています。

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